This is my second paper for a monthly magazine "The world and Parliament" issued by Yukio Ozaki Memorial Foundation attached to the House of Representatives of Japanese National Diet. Yukio Ozaki is called "Father of Parliamentaly Politics".

My paper is on the Reform of Japan's Taxation System concerning Rebalancing Local Tax around big cities.

English translation will be ready soon! Sorry for inconvinience. (Ken Seto)

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この小論文は「憲政の父・尾崎萼堂」を記念して設立された尾崎行雄記念財団が発行する

憲政記念館の権威ある機関誌「世界と議会」1994年6月号に掲載された第一弾です。

瀬戸健一郎が「地域調整税」を公式に提言したものでもあり、大都市の事業税、事業所税を

就業者の居住地に人口按分して調整し、振り分けるべきであると主張している問題です。

読み終わりましたら、是非ともご意見・ご感想をお寄せ下さい。

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「議員の声・有権者の声コーナー掲載小論文第一弾

「地方自治の変化と市議会議員のあり方」

埼玉県草加市議会議員 瀬戸健一郎


 規制緩和、地方分権、税制改革。中央政界では改革の名のもとに、これら三つの課題を引き合いに出しながら、再編劇が展開されています。私たち地方議員は、その議論の行方を永田町の枠の外で静かに見守っています。しかし、冒頭の三つの課題は永田町で議論されるよりは、本来、地方議員の間でこそ、活発に議論されるべき課題ではないでしょうか。

  地方分権の推進のために規制緩和や権限委譲が重要なことは事実です。しかし、これらの実現に税制改革が必要不可欠であるとの議論はあまり耳にしません。そもそも真の地方自治の実現を理想としたシャウプ勧告は「国」と「地方」の税務行政の改革を唱えたものでしたが、現実には「国力の回復」という国家目標のもとに戦後復興期から高度経済成長期を経て、地域ごとの様々なニーズの調整を後回しにしたままで、世界第二位の経済大国を築いてきたのです。この陰で地方自治からの乖離が起きたことを忘れてはなりません。

 しかしながら、経済的目標を果たすにつれ、政治の課題は細分化され、国民のニーズの多様化、政治や行政への要求が複雑化したため、これまでの政策決定プロセスでは対応しきれなくなってきました。中央集権における行政システムと自民党一党支配による政治システムが、皮肉にもその成果の上に、社会の変化から取り残される形になったのです。地方分権による改革が要求される理由がここにあります。

 そこで、これまで後回しにしてきた地方分権や個別利害・価値観の調整に本腰をいれて取り組むことになります。

  現在、国民に課せられている税の約七割が「国税」として徴収されていますが、これが支出される段になると、約七割が地方公共団体を通して執行されています。理屈からすれば、税収全体の七割を「地方税」にして、中央官僚機構の大幅なリストラを通して生み出した余剰財源を福祉目的に当てれば、今日議論されている増税論議は回避されるかに思われます。しかし、それでは自治体間の格差をさらに助長することにもなりかねず、国民全体の所得や資産の再配分を通じた「公平性」の確保と調整に、国がほとんど影響を持たなくなる可能性もあります。「国税」と「地方税」の割合の調整は至難の技でしょう。しかし、これを無視した規制緩和や権限委譲は決して真の地方分権を実現することにはなりません。

 そこで国税と地方税および自治体間の財源調整を行う新たな税制改革が必要となります。私は自らの経験と実体験から、次のような税制の改革を提案したいと考えています。

   私が議員を務める埼玉県草加市は、東京都に隣接する人口二十一万人の中堅都市で、就業人口は約九万五千人。その内、市外への流出者は五万人強。「職住分離」による財政的偏重がここn生じています。例えば、草加市は銀座へ約四十分の通勤圏にあり、実際に東京都中央区に就業する草加市民は七千人余。中央区の人口が約七万四千人ですから、何とこの約十パーセント当たる人数が草加から毎日通勤していることになります。さらに、平成四年度の草加市の当初予算は約四百二十億円。一方、中央区は約六百二十億円。人口一人当たりの財政投下額は草加市で約二十万円、中央区では八十万円を優に超え、四倍以上の格差です。加えて、草加市の歳出の多くを占めている下水道整備事業などの基盤整備に関わる経費は、既にそれらが完了している中央区の財政からは支出されず、清掃事業や消防事業が東京都の直轄事業であるために、これらも中央区の支出とはならないので、この豊かな財政が区民生活に直結した二次的、三次的な事業に集中投下できるのです。

 人々が働くことによって生み出した資産が、人々が住まない地域に集中投下され続け、ますますその地域の生活コストを向上させて、その地域を過疎化させてしまう。一方、世界有数の大企業を通して生み出される経済活動の果実が、それら大企業で働く就業者が実際に生活する地域に投下されず、一向にその地域の基盤整備は進展しない。私がここで提案したいのは、東京都が一括して収納する事業税や事業所税を「地域調整税」として一定の人口割合に従って、就業者の居住地に適正に配分するということです。人々の現実の生活圏が既存の行政圏を超えて存在している以上、このような調整税による、視点を変えた税制改革は緊急課題であり、大都市周辺のベッドタウンが抱える切実な問題なのです。

 現行の地方制度でも、地方の財政は交付税によってある程度適正に調整されていますが、首都圏や大都市近郊都市はエアポケットのような状況下で、東京や大都市とは公共サービスや都市基盤、財政事情において対照的で困難な状況に直面しています。全体の地方制度が現状維持されるなら、是非ともこのエアポケットにある首都圏および大都市近郊の市町村に対して、地域調整税の導入を実現してゆくべきだと強く主張したいと思います。

(完)

(財団法人尾崎行雄記念財団機関誌「世界と議会」1994.6月号掲載)

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