This is my second paper for a monthly magazine "The world and Parliament" issued by Yukio Ozaki Memorial Foundation attached to the House of Representatives of Japanese National Diet. Yukio Ozaki is called "Father of Parliamentaly Politics".

My paper is on the Reform of Japan's Public Accounting System for Financial accountability and management.

English translation will be ready soon! Sorry for inconvinience. (Ken Seto)

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この小論文は「憲政の父・尾崎萼堂」を記念して設立された尾崎行雄記念財団が発行する

憲政記念館の権威ある機関誌「世界と議会」1997年12月号に掲載された第二弾です。

瀬戸健一郎が「公会計改革」を公式に提言したものでもあり、企業会計を公会計に導入し、

国・地方の税財源の収支の透明性を向上し、アカウンタビリティを実現しようとする内容です。

草加市では瀬戸議員のこの提言にもとずき、平成10年度から決算書等にこの考え方を採用し、

市財政のバランスシート作成に取り組むことが決定しています。

読み終わりましたら、是非ともご意見・ご感想をお寄せ下さい。

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「議員の声・有権者の声コーナー」掲載小論文第二弾

「公会計改革とアカウンタビリティー」

埼玉県草加市議会議員 瀬戸健一郎


 草加市のある福祉施設が市からの補助金のうち人件費の一部を流用して施設改良に当てていたことがわかり、問題となった。実態に則した補助要綱が整備されておらず、担当部局も承知したまま、三年間にわたり一千七百万円もの補助金が浴室の改良に当てられていたのだ。この実態は残念ながら過去の決算特別委員会の審議ではチェックの目をのがれ、明るみに出ることはなかった。

 ここで問題だと思うのは、自治体経営に認められてきた「予算の弾力的運用」や「裁量的行動」といわれる原則があまりにもあいまいに適用され、市民の税金が何にどのように使われているのかが結果的に分からないように会計処理されていたことだ。

 いま、行財政改革の柱に「公会計」の見直しをあげる動きがあるが、私も今回のことを通して、その有用性と必要性を痛感させられた。

 地方自治体の経営は総計予算主義という考え方の下で全ての収支が予算化されて執行される。草加市の場合も三月定例議会で新年度予算案が提出され、翌年九月定例議会に提出された決算案が決算特別委員会の審議を経て承認されて一会計年度が完結する。年度当初予算化された私たちの税金は年四回召集される定例議会や必要に応じて召集される臨時議会に補正予算案等が提出されない限り、ノーチェックで消化されているのである。

それだけに決算案の審議は方法によっては相当に煩雑な作業となるはずであるが、通常三日間程度の審議を経て承認される。その際のポイントとなるのが予算消化の割合だ。予算が余ると事業執行が充分に行われていないのではとの指摘を受けるし、予算超過すれば年当初の予算積算の甘さが指摘される。そこでは、予算と決算の金額に目が奪われ、実際にどのような成果を上げたのか、といった企業会計で示されるバランスシートのような中身の議論は忘れ去られてしまう。

これが特に複数の部局に横断的にまたがるような事業となるとセクト主義と呼ばれる縦割り行政の中で、それぞれ個別的に処理されることになり、事業全体の執行状況はますますわかりにくくなる。まして、第三セクターや民間施設への委託事業となると議会や監査委員会のチェック機能さえ及ばないところで税金が使われることになる。

また、建設事業や物品購入が人件費等の経費と同じ現金支出として処理される現在の現金主義会計のもとで、単純な家計簿と同じ様に単式簿記で収支だけをただ記帳すればよいという今の予算書や決算書自体が、自治体経営をとても不透明なものとしていることは否めない事実だ。

営利を目的としない行政サービスの成果は、必ずしも対価としての売り上げ金額のように数値化することは出来ない。しかし、その中でも道路や下水道工事、施設の建設、はたまた消防車や高規格救急車などの備品購入等は、それらを全て財産として計上し、発生主義的な考えをもとに原価償却の対象として損金計上しておけば、建て替えや買い換えの時期は一目瞭然となり、経費の年次的な見通しが可能となって単年度予算の弊害が回避されるばかりではなく、行政マンにコストに対する意識を植え付けることになる。そして、これまでいわゆる予算の流用で処理していたような経費、例えば官官接待等に使用されていた余剰経費や食料費も企業会計でいう接待交際費や会議費という必要科目として積極的に処理し、チェックすべきなのである。

さらに複式簿記による連結決算を実現することで、自治体経営の全体像が分かりやすくなり、アカウンタビリティーの実現、向上に何よりも功を奏することになるだろう。地方議員の一人として、明ける一九九八年がこのような「単式簿記から複式簿記へ」「現金主義から発生主義へ」という転換をすすめる公会計改革元年となることを強く願ってやまない。

(完)

(財団法人尾崎行雄記念財団機関誌「世界と議会」1997.12月号掲載)

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