せとけんの政策目標(2012年発表)

  1. みなさまおひとりおひとりが恩恵を実感できる景気回復
  2. 国際化社会に対応できる教養と語学力をのばす教育改革
  3. 結婚、出産、老後、安心して暮らせる福祉と社会保障
  4. 家族、地域、国を大切に護り抜く平和外交と安全保障
  5. 「追いつけ追いこせ 埼玉東部」埼玉東部をモデルに全国に拡げよう
    • 地元草加をはじめ越谷・三郷・八潮・吉川等、埼玉東部地域や隣接する東京都(足立区等)の更なる発展を目指します。
    • 「語学教育特区」や大学との連携で各地に国際交流拠点を設け、最高の語学・教育環境を。
    • 中小企業の海外戦略を支える国際事業推進センターや国際研修(東南アジア留学生)センターをつくり、国際化の恩恵を地域経済に活かします。
    • 災害用防災ヘリコプター空港(防災基地)をつくります。
  6. 活力あふれる地方自治をめざす
  7. 情報と物流をテーマに日本を世界の中心に
  8. エネルギー自給体制の促進

草加元気計画(2001年発表)

日本の教育カリキュラムは文部科学省が定め、公立小中学校の教員は都道府県が採用しています。しかし、現行の教育制度の中でも、市長がリーダーシップを執って草加市独自の教育環境を整備していくことは可能です。基本的に日本の公立小中学校の教職員は忙しすぎるのです。

このことは児童・生徒の立場からみても、一人の児童・生徒に関わる教職員の数が限られており、多種多様化する教育現場の問題解決には充分な対応が出来ません。私は、これまで草加市で導入されてきた草加市民から登用するさわやか相談員、地元企業経営者などによる出前教室など、草加市の伝統・文化、草加らしさを地域社会から直接伝えることが出来る、地域ぐるみの優れた施策をさらに充実させ、児童・生徒の心のケア―を担当する専門カウンセラーや市民ボランティアによるクラブ指導員、ALT(外国人語学指導助手)を全校に配置し、家庭科、理科、音楽、図工など必要な専科の臨時採用教員や事務職員を充足して、草加市内の小中学校を地域全体から手厚く支えてまいります。

さらに教育関連NPO等との共同事業を採用し、積極的に教育の質的な向上をはかりながら、少なくとも数名の教職員もしくは学校スタッフが日常的に多角的にそれぞれの子供たちに直接関わることが出来るような学校教育環境を実現します。

不登校・学級崩壊―心のセーフティネットに包まれた30人学級を目指します。

40人学級は従来の日本のマスプロ教育にとって都合のいい制度でした。しかしこれでは生徒一人ひとりの個性や人格が教師の目に映りにくいため、個々人の自己の重要感が承認されることを難しくしてしまいます。

一方、教職員志望の情熱ある若い青年達が世の中にあふれているのに関わらず、経営効率を重視する学校現場では極端に人員が不足していて、クラス担任を受け持つことが教職員にとっても負担感の強い環境が生じてきました。

私は過干渉でなく、さりげない教師の心づかいがいきわたる欧米並みの30人学級を実現することが個性重視の教育環境をつくる第一歩であるとの信念のもと、これを実現し、児童・生徒一人ひとりに様々な分野の複数の学校スタッフが関わり、協力しあうことで、草加市 から不登校や学級崩壊などの諸問題を解消させることが可能だと確信しています。

また、これらの問題については子育てのストレスの増加による児童・生徒の親の心理状況や家庭内暴力(DV)や家庭崩壊といった背景的な原因が存在している可能性があることから、学校生活における児童・生徒の情報をご両親と相互に交換できるよう、専門スタッフの雇用によって創出される担任教師のゆとり時間を電話や電子メール等によるコミュニケーションの時間として活用し、教育現場の公開性を高め、教育相談室に心療内科や子育て専門カウンセラーなどを配置して、電話相談などの手軽な受け皿を創設する等、家庭における 教育力の向上を総合的に支援してまいります。(*DV=Domestic Violence)

教育委員会のスリム化―学校教育の充実に特化した組織に改め、教育の質を向上。

少子高齢化による本格的な生涯学習・生涯スポーツ社会の到来を控えて、草加市教育委員会が取り扱う事業の事務量は飛躍的に増えています。

一方、学級崩壊、家庭崩壊、家庭内暴力、校内暴力、不登校、学力や教育力の低下など、本来教育委員会が最大限の努力を傾けるべき学校教育をはじめとする子供たちをとりまく教育環境は大変深刻な状況です。

これに加えて、昭和40年代前半に建設が行われた多くの草加市内の小中学校はそれぞれ建替えの時期を迎えており、これらの事業を計画的に推進していくことも大きな課題です。

私は現在の教育委員会の組織中、生涯学習課と体育課を市長部局の直轄機関として編入し、教育委員会はこれまでの総務課に学校施設の建替計画や管理の強化を加えた総務企画部と学務課と指導青少年課を統合した学校教育部の2部制とする組織改正を提案し、教育委員会の視点を学校教育における子供たちの教育環境の改善に集約させ、子供からお年寄りまで幅広い対象者を含んだ生涯学習等の担当部局を市長直轄とすることによって、草加市全体がまちぐるみでお互いを高め合う、真の文教都市づくりを進めます。

 税制―実質的な減税効果を創出し、草加市から日本の税制度を改革します。

私は日本の現行税制は地方間の不公平を生み出しており、特に草加市民は不利益を被っているので是正が必要であると主張してきました。(憲政記念館機関誌「世界と議会」に掲載された小論「地域調整税」等)地方主権の時代、草加市をふくむ各自治体行政への市民ニーズの増大、それらの内容の急激な変化に対応するためには、各自治体は従来の地方税体系とその解釈・運用・指導に対して、市民の声を背景に、みずからの財源構想・提案を行わなければ、草加市民の利益を守り、拡大していくことは出来ません。

23万草加市民の重税感を緩和するために、現行法のもとで可能な自治体財政権を行使し、積極的に市民が本当に必要とする補助事業や助成事業を選択し、国や県から積極的な財政誘導をはかり、都市計画税の引き下げや固定資産の評価基準を見直すなどして、実質的な草加市民の減税効果を創出します。

また、草加市を「大学のあるまち」と位置づけ、国対地方の税源配分や地方間の財源調整を市町村の立場から考察し新たな税制を国に提言する共同研究プロジェクトを推進し、先端理論で草加市から21世紀の日本のあるべき姿を全国に発信します。

私の私案ですが、消費税の1%相当分を消費地である市町村の直接財源とする税制改正案は増税を伴わない制度であり、市町村の産業振興策の成果がすぐに財政に反映されることから、市町村の主体的な自治体経営が望めるため、特に主張していきたいと思います。

社会保障基金―不可抗力からの自立を支援する無利息の貸付制度をつくります。

私は15歳で父を突然の病で失った時、まだまだ多くの夢をもっていました。家族を経済的に支えてきた父親の死は、残された家族にとって絶望的な出来事だったわけです。

しかし、多くの人々の支えによって母は就職し、私も弟もアルバイトをしながら、母子資金と育英奨学金を借りることで進学を続けることが出来ました。

この体験から私は不可抗力によって教育機会が奪われないような社会保障の必要性を実感しています。どんな境遇、環境にあっても、本人の意思と努力が報われるような社会を創ることが私の政治の基本理念です。

いかなるハンディキャップをも乗り越えて自立を目指す人々を支える無利息の資金貸付制度や利子補給制度を整備していくため、草加市社会保障基金を創設します。

新市立病院―情報のネットワーク化で安心して暮らせる医療・介護環境を創ります。

私は病診連携を主軸とした地域医療体制を確立し、急性疾患から慢性疾患にいたるまで、草加市内で対応できる医療供給体制を構築します。

新市立病院は地域医療支援型病院とし、草加市の中核病院として急性疾患や救急医療に積極的に取り組ませ、24時間、365日、市民の健康を守ります。そのためにも、市内すべての救急小隊に救急救命士を配置し、常に迅速な対応ができるようにする一方、一刻を争う重篤な患者さんについては3次救急病院への搬送をはかるなど広域的な協力関係の構築を図ります。

さらに、新市立病院と地元医師会、歯科医師会、薬剤師会との連携を密にし、急性期を脱した市民が地元で引き続き安心して治療に専念できる体制を目指すべく、草加市内の医療機関のPRマップを作成し、介護保険施設、デイサービスセンターなど各種の施設情報をはじめ、病気を未然に防ぎ、病後のリハビリテーションの機会を充実させる目的から、市内の体育施設や民間スポーツクラブなどの情報もインターネットやパンフレット、市役所などの窓口で広く公開し、さまざまな市民のニーズに応えられるように致します。

また、現在懸念されている新市立病院開院後の財政赤字については、年間約10億円の一般会計からの繰り出しが必要とされていますが、建設直後からの増床は当面の間、見合わせ、建設費の償還計画と実際の新病院の経営効率をすり合わせながら、段階的な機能拡張を行うことが必要だと私は考えます。

重篤な患者さんの命を救える機能に妥協はしませんが、安易な増床による経営効率の低下は草加市全体の経営にも悪影響を与えますので、これらについては慎重に再検討してまいります。ただし、アレルギーの特診外来の設置や地元医師会のお医者さんに外来診療を担当して頂いたり、看護婦の充足にあたっては一部、嘱託による契約制を導入するなど、経営の効率化に真剣に取り組み、健全な病院経営を実現します。

農政―先祖伝来の田畑を次代に継承していける様々な施策を展開します。

私は農業委員に就任していた頃、草加市内の農業経営者がいかに質の高い農業を営んでいるかを目の当たりにしました。しかし、農産物の売上だけでは生計を立てるどころか、固定資産税の支払いにもゆとりが生れない市場優先型の価格決定プロセスを背景に、毎年多くの農地が失われていることも事実です。

草加市で収穫された野菜やその他の農産物を草加市民が直接消費することができる直売所を設置し、学校給食や市内外食産業のご協力を頂きながら、草加市の生産者と消費者をより密接につなぐ拠点として活用します。

また、商工業と同様に、新しい農業技術の研究・導入のための補助制度や高収益性作物への転作を支援することが出来るよう、専門アドバイザー派遣事業などを推進します。それでも転用せざるをえない農地については、まず草加市が借り上げて市内全域に市民農園を配置して、土に触れることがほとんど無い高層住宅等に居住する市民や子供たちに耕作の喜びを実感してもらい、都市空間としてもたいへん貴重な先祖伝来の田畑を次代に継承していける新しい制度として確立していきます。

商業―商店街活性化をマクロな視点から実行し、個別商業者向け資金制度を拡大。

草加市は東京都と隣接していることから、都心の商業核への消費流出が大きいため、引き続き商業振興策は重要な市政の課題のひとつです。草加駅東口再開発計画によって幾分かの消費流出抑制が実現しましたが、さらに周辺商店街の活性化が求められています。

特に旧町通りの商店街は人の流れが変化して危機的な状況であることから、周辺地域の開発計画や草加団地の建て替え計画などとも関連させながら、まず人の流れを呼び込むことが必要であると私は考えます。草加駅東口から綾瀬川札場河岸公園に至るモール化計画などもアイデアの一つです。

また、市内4駅の中でただ一つ取り残されている新田駅東西口周辺再開発事業も市立病院の転出を前に、緊急の課題となっており、周辺商店街の将来的なビジョン作成にコンサルタントを活用するなどの資金援助が必要だと考えます。

今後の商工振興策の推進にあたっては、各商店街の法人化が大きな課題になると思いますが、これらの活動をしっかりと支援していくことも市役所の重要な仕事です。国・県からの商店街活性化事業等の誘致に加え、個別の商業者についても経営合理化資金や店舗改築資金の一部を貸し付ける制度などを拡大し、貸し渋り対策に役立つ施策運営を行います。

工業―IT異業種ネットワークと資金制度でものづくりをバックアップします。

草加市の工業は常に埼玉県内で5指に数えられる生産高を上げてきました。このことは草加市の工業者が潜在的に保有している技術力の高さを物語っているのですが、あまり市民には実感として伝わっていないのが現状です。市役所としても商業振興策については様々な制度融資や助成事業を講じてきましたが、工業者にも同様な支援事業を積極的に行う必要があると私は考えます。

「うるおい工房」支援事業はそんな中で最近事業化されたとてもいい例です。企業経営が厳しい時代ですから、なかなか工業者の横のつながりが出来にくい環境にあるのでしょうが、異業種の交流を通じて新しい企業の活路が見えてくることがあるようです。日常業務の出来るだけ支障にならないように、ごく日常的に自然なかたちで工業者のネットワークづくりをお手伝いし、インターネットによるPR活動を通じて草加の工業界全体のIT化を支援してまいります。

さらに近代化や新規事業への転換・展開に役立つ資金制度も拡充し、貸し渋り対策に役立つ施策運営を行います。

技術と地域経済―IT基盤で起業家を奨励し中小企業の市場拡大を支援します。

私はたゆまざる努力を続ける起業家こそが新しい経済基盤を創りだすのであって、これは基本的に行政の役割とは区別されるべきだと考えています。 しかし、より多くの起業家が誕生する環境と社会資本を整備することは草加市の責任としてある程度推進していくことが出来るのです。

技術革新を促進させる環境を整備し地域情報化を推進することや、国・県・市もしくは各種特殊法人等が提供している様々な助成制度の情報を提供するなどして、リスクに立ち向かう人々を奨励することは草加元気計画の目的そのものでもあるのです。

また、県内屈指の工業生産高を継続的に延ばしていくために、インターネットによる草加市内の工業技術を世界に発信し、市場の拡大と需要の喚起をめざすなど、草加市役所が市内中小企業の営業マンとなって、多角的な中小企業支援策を展開します。さらに、電子行政を普及させながら、各種申請・届出手続きの時間短縮と簡素化を実現します。

国民健康保険税―健康奨励金の創設で国民健康保険税の負担軽減をはかります。

草加の国民健康保険税(保険料)は県下でも最高水準です。本来、国民健康保険制度は名のごとく国の制度なのですから、全国一律の保険料が適応されるべきなのですが、事業が赤字を続ける傾向は、不景気と長寿社会の進行のなかでますます厳しくなってきており、実質的な事業運営を任されている各市町村としては、特別な対策を講じない限り、負担率を上げざるを得ない状況です。

しかし、私は国民健康保険制度の継続は少子高齢化時代にますますプライオリティの高い施策であると認識しており、滞っている保健税の収納率向上を効果的に進めながら、片側で医療費の支出を抑制するため、自動車保険のように保健による医療費の支出を一年間一度も必要としなかった被保険者については一定の割合で保険料を還付する健康奨励金支給制度を講ずるなど、国民健康保険会計の改善につとめ、国民健康保険税を値上げすることなく、現状のまま堅持する努力を講じてまいります。

自然と環境―ISO14001を取得し、まちぐるみで循環型社会をつくります。

私は環境保全と循環型社会の新しい時代を模索しています。過去30年間に日本は世界で最も厳しい環境基準を定めて、規制を主体とする環境政策を展開してきました。草加市でも急激な都市化にともなう綾瀬川の氾濫を莫大な国家予算を投じて治めてきました。そして今年は地下鉄7号線の下に敷設した導水管で全国ワースト1の綾瀬川の水質を荒川の水で希釈するプロジェクトがスタートします。

しかし、法律による規制や巨費を投じての環境保全は地球環境を願って小さな努力を続ける一人ひとりの市民を力づけ、善良なる市民活動の成果を称え、奨励する方法とは明らかに異なっていました。私は環境保全意識をすべての市民と高めあうため、環境宣言都市にふさわしい環境保全活動の奨励策や環境教育の普及を通じて環境を守る運動が全市民的な活動へと広がっていくことを意図しながら、長年の懸案であった草加市リサイクルプラザを建設し、循環型社会づくりの拠点として活用してまいります。

また、公共事業や事務事業のあらゆる場面で資源の徹底した再利用を目指し、草加市役所としてISO14001の取得を目指して行政を改革していきます。

行政機構の改革―プロジェクト制による効率的事業運営と外部監査制度の効率化。

私は現在のような時代の大変革期に求められているのは調整型の市政ではなく、決断型の市政なのだと確信しています。そしてこれを実現するには、解決すべき課題を無理に既存の行政組織に当てはめる努力ではなく、組織そのものを作り変える必要があるのです。

市役所が税収の多くを人件費と固定費で消化してしまう現実を直視し、行政事務の評価システムを導入して財政運営のムダを解消しながら、これまでの部局横断型の事業を事業ごとに問題解決型のプロジェクトチームを設置しこれに委ね、コンパクトな管理部門とプロジェクト制を含む事業部門を区別して行政機構を抜本的に改革いたします。

さらに、事業ごとの発生主義による会計管理を早期に導入して、外部監査制度導入の効果を高め、公共事業の進捗状況に関する市民へのアカウンタビリティ(説明責任)を向上します。

行政事務の効率化―行政事務評価システムとPFIを導入して効率化を進めます。

草加市ではゴミ収集事業などを中心に一定の割合で民間委託による市民サービスの効率化がはかられてきました。しかし、欧米社会で既に概念として定着し、着実に根付きはじめているアウトソーシング(外部委託)、PFI(民間資本導入)、NPM(新公共管理)、さらにこれらを活用した際の評価基準としてのVFM(費用対効果)という分野については全国的にまだまだ大変遅れています。

NPO法が制定されたことにより、必ずしも民間企業だけが委託先ではなくなりましたが、これらNPO等を運営している市民が蓄積しているノウハウは特に専門的な分野で切実に求められているものが多く、市役所から直接提供され得るサービスよりもはるかに実効性が高いばかりか、市民と行政のパートナーシップを実現し、市民が市政に参加する機会を拡大する最高の手法でもあります。これによって、草加市政における行政事務の評価分析が可能となり、財政の歳出構造の改革とアカウンタビリティ(説明責任)が向上してムダのない効率的な行政運営が可能となります。このような行政のスリム化とコスト意識の徹底によって、スピード感あふれる市政が実現します。

*PFI (Private Finance Initiative), *NPM (New Public Management), * VFM (Value For Money),

*NPO (Non Profit Organization)

政策決定への市民参加―NPO等との協議と住民投票による新しい参加システム。

地球環境問題や少子高齢化、高度情報化、国際化などの今日的な行政課題は人々の暮らしの中で多種多様な市民ニーズというかたちで存在していますが、それぞれの切実な問題の根底を把握する情報も、それらを解決する知恵やノウハウも行政が全て的確に把握することは困難な状況にあります。

NPO法の制定は、そんな政治や行政よりも遥かに高度で、実効性のある特定の問題解決能力を有する市民活動を保障し、大きな原動力として社会に貢献していただくことを期待するものであり、既に多くの分野のNPO法人が設立されています。

しかし、NPOの活動に仕事を押し付けるだけでは、行政の責任を果たすことはできません。日常的なNPO等と協議する機会を通じて、草加市の政策決定に反映してこそ始めて、問題意識と社会貢献に目覚めた市民の声が着実にまちを動かしていくのです。

私はNPOや各種ボランティア団体との政策協議会を定例化して、草加市の政策決定過程に直接市民が参加できるよう意図していくと同時に、毎年11月をめどに市民や議会から提案された施策を充分な情報提供を行う中で住民投票を実施して選択し次年度予算に取り入れる新しい市民参加システムを実施して、18歳以上の草加市民全員がコミュニティに具体的に参加する機会を創ります。高い市民意識こそが草加市政を発展させるのです。

市役所のコンビニ化―段階的に夜間・土曜日・日曜日の市役所開庁を目指します。

草加市の就労人口の約7割は東京を中心とする市外への通勤者です。日常生活の中で、住民票や印鑑証明の発給を受けるなど、一部のサービスは駅や支所などに自動発給機を設置して市民の利便性を向上させます。

しかし、各種届出手続きや行政相談等については、休暇を取るなどしなければ平日に行うことは出来ません。そこで、税務、福祉、保険年金、介護保険に関わる窓口と市民課窓口については平日午後7時まで開庁し、市役所の機構改革とフレックス休暇制度などの採用による人事管理を工夫することで、段階的に土曜日や日曜日にも市役所を開庁し、実質的に市の業務時間延長を行ってまいります。

国際交流―事業拡充で世界平和に貢献し、国際社会に貢献できる人材を育成します。

私は外国人との交流を通じてこそ初めて、人は自分と自分の文化を客観的に見る眼を養うことが出来るのだと確信しています。また、自治体レベルの国際交流事業は草の根レベルの国際相互理解を促進し、世界の平和と安寧に大きく貢献していると考えています。

とはいえ、草加市の国際交流事業の可能性はまだまだ充分に実現されていません。例えば、草加市で採用しているALT(語学指導助手)は姉妹都市の米国カーソン市から招聘しているわけではありませんし、友好都市の中国安陽市と市内の大学が学術交流しているわけでもないのです。また、小さな頃から外国人との交流を体験する機会を提供する市町村の国際交流事業こそが世界との共存なくしては存続しえない日本の将来を担う子供たちにとって大きな教育効果をもたらすものです。

そんな中で、市民が相互に交流する機会もまだまだ限られていますから、現行の国際交流事業は23万市民全体のものにはなっていないのが実情です。私は国際交流事業がもたらし得る様々な恩恵を市民すべてが享受できるよう、青少年や市民の交流事業をさらに拡充させながら、市内の大学や各種団体が独自に先方の相手方と交流出来るよう支援し、ALTを含む人材の相互派遣事業を展開しながら、姉妹都市・友好都市関係をさらに深め、草加市民の国際化を支援してまいります。

バリアフリー(障害者福祉)―障害者懇話会を設置し政策決定に反映させます。

私はすべての市民が学び、技能を身に付け、生産性のある仕事に従事し、どこに住むかを選び、コミュニティ社会に参加する機会を手にしていなければならないと考えています。社会にバリアフリーという言葉がようやく定着しつつありますが、障害を持つ市民にとっての必要はまだまだ満たされていません。

労働省や厚生省、埼玉県のあらゆる制度を活用し、草加市独自の施策と併せて総合的に社会のあらゆるバリアを取り除くためユニバーサルデザインによる公共施設建設・改良事業を推進します。さらに障害を補う新しい技術の導入を奨励することで、障害を持つ市民が労働力として活かされるように障害者を雇用する事業所を助成し、障害を持つすべての市民がコミュニティ活動に参加できるよう草加市企画事業に障害者の参加を求め、政策決定に活かす障害者懇話会を設置します。

市全域の均衡ある開発―計画の再検討と総合調整による事業実施をはかります。

都市基盤を整備していくことは行政が行うべき最も基本的な仕事です。しかし、草加の都市基盤整備は昭和40年代以降の人口急増期の遅れを残念ながらまだ取り戻せしていません。日本社会が戦後復興から高度経済成長期を経てバブル経済の絶頂期を迎えるまで、地方財政の歳入は毎年右肩上がりで増加しつづけていましたが、これまで草加市で完了していない多くの計画は、このころ作られたものです。時代は大きく変わり、その変化するスピードはますます速くなっているのですが、財政規模が大きく拡大されることはありません。

私は不完了のまま残された数々の都市計画道路や再開発事業を再検討し、市民の必要と実現可能性を踏まえて長期計画の中で明確な優先順位を決定することから事業着手してまいります。特に・谷塚地域の面整備事業と・新田駅東西口周辺の再開発事業は優先度の最も高い大規模プロジェクトとなりますので、早急な計画策定が必要です。

また、・都市計画道路の整備や・4号バイパス花栗交差点の立体交差化事業と・安行街道の柳島交差点の改良工事は草加市の道路計画の根幹であり、早期実現に向けて関係機関と協議してまいります。

さらに、・IT基盤整備による地域情報化も新しい時代に求められる都市基盤の一翼であり、PFIによる事業推進をはかります。・下水道整備事業については、面整備事業計画や各種公共工事(東京電力、東京ガス、NTT等の事業を含む)と合わせて実施することが最も効率的だと考えますので、整備計画全体を全庁的に調整し、民間企業の工事との連絡調整のなかで総合的に事業時期を判断し、早期完成を目指します。

防災―災害シミュレーションシステムの導入と災害対策委員会を常設します。

私は阪神淡路大震災の直後に3回ボランティアに訪れました。そこで感じたことは、天災は避けることはできないが、災害を最小限度に食い止めることはできるという確信でした。

大災害が発生すれば、行政の力はとても限られています。同時多発的な火災を初期に沈下し、崩れた家屋のがれきから下敷きになった被害者を救い出すことの大部分は23万市民の善意と勇気によるところが大きいのです。行政は全体的な情報を逐一把握し、市民の手に負えない被災地や被災者に効率よく消防力や救急小隊を投入し、災害避難場所を優先的にライフラインの確保普及に努めなくてはなりません。

災害発生時のシミュレーションシステムを導入し、地域ごとに具体的な防災訓練のプログラムを作成し実施します。市役所を中心とする災害対策司令室を設置して情報通信網の確保、警察、消防、救急、水道、市立病院、民間医療機関、NTT、東京電力、東京ガス、建設業者、小売業者、飲食業者などの代表で組織する災害対策委員会を常設して、日常的なネットワークを稼動させます。

外国人居住者―実態調査と外国人居住者向けの情報提供・相談窓口を設置します。

私は外国人居住者が増えている現状は問題ではなく、むしろ社会の成熟度のバロメーターであると考えています。しかし外国人居住者を受け入れる日本の法整備が欧米社会と比べかなり遅れていることから、不法入国や不法残留などの実態が急増しており、このことが結果的に私たち地域住民にとって様々な不安要素の原因になっています。

市内在住の外国人居住者の実態を市役所として十分に把握しておくことや、外国人居住者に対しても充分な情報や相談窓口を提供することが、お互いに安心・安全な共生関係を維持していくためには不可欠であると私は考えます。これらの問題についても、しっかりと担当窓口を設置して地域の国際化の実態にきちんと対応できるよう、環境整備をしてまいります。

住宅政策―敷地50坪の環境共生モデル住宅を3年間で30戸、3千万円で分譲。

高齢化とライフスタイルの多様化はライフステージごとの住宅需要の変化を複雑なものにしていますが、草加市にはこれまで有効な住宅政策指針がありませんでした。

一方、昭和40年代の人口急増による緊急避難的であったともいえる都市基盤整備も、そのほとんどが老朽化しており、当時の最先端住宅であった松原団地も建て替えの時期を迎えています。将来にわたる草加市の住環境が快適であるように、持家住宅、民間賃貸住宅、公的賃貸住宅が提供し得る住居形態と按分を想定し、計画的な住宅供給が実現するよう住民と事業者との協力関係を盛り込んだ整備方針を確定します。

具体には既存市営住宅の建て替え事業、松原団地の建て替え事業による公的賃貸住宅の戸別形態と供給個数をまず確定させ、民間賃貸住宅の需要予測を通じた供給計画を策定します。続いて持家率を向上するため、草加市土地開発公社などが抱える資産や物納物件等を活用して敷地50坪の定期借地権付戸建て住宅を3年間で30戸開発し、同時にそれぞれの建物に雨水利用設備、ソーラー発電装置、コンポスト、太陽温水器、等々を装備して、環境共生モデル住宅として、賃貸住宅に居住する市民を対象に購入希望者を募って抽選を行い、一戸あたり3千万円で販売します。これには市内限定の300万円の商品券をつけて、地域経済への波及効果を創出しながら、市民のマイホームの夢を多角的に応援します。

このような住宅需要への刺激策が民間による住宅開発を喚起し、それに伴う地域経済への波及効果が草加市を元気にしていきます。また、高齢社会に対応した住宅改良工事や2世帯住宅建設については無利息の資金貸付制度や利子補給制度を創設します。

幼稚園・保育園の連携―幼保役割分担による独自の子育て支援環境をめざします。

少子化を背景に子育て環境の大きな変化はこれまでの幼稚園や保育園の役割にも影響を及ぼしていると私は考えています。幼稚園は基本的に保育時間が短いため、同じ3歳児でも夫婦共働き家庭の子どもは必然的に保育園に預けられるわけですが、そもそも幼稚園における延長保育の方が時代の強い要請になってきていることを考えると、公立保育園なみの助成制度を幼稚園に対しても整備して、この時代の要請に応えうる環境をつくることこそ求められているのだと思います。

また保育園を必要としている人の環境を調査し、保育園のあり方を設定し保育の拡充を図ることが必要です。私は、まず保育園と幼稚園の明確な役割分担を実現することが望ましいと考えています。保育園は3歳未満の乳幼児を専門に保育する。3歳から小学校入学までの幼児はすべて幼稚園で教育する。

いずれの施設運営も公費補助していくことによって、幼保の保育環境やご両親の経済的な負担の格差を是正し、このことにより、保育園は2歳までの乳幼児を安全に愛情深く保育することに仕事を専念させることが出来るようになりますし、幼稚園は小学校入学前に必要なしつけや教育内容を充実させることや延長保育などのサービス面の両面から独自の経営方針を決めて頂くことができるようになります。

またこれまで教育機関として発展してきた幼稚園をバックアップすることによって、そのノウハウや潜在力を最大限に引き出し、子育て支援の質的な向上と中心的な担い手としての役割を果たして頂くことが必要です。

これからの子どもが育つ場は、どのようにあったら良いのかという大きな視野の中で議論することが必要だと考えます。そして保育料などの育児コストを抑えることが出来るよう、第2子目以降の保育料等の減額制度や補助制度を充実し、草加市独自の子育て支援環境をつくります。

子育て支援―幼児医療費の無料化と相互扶助による「草加市まちの子」構想の実現。

私は草加市の未来を担う子供たちが安全で、安定した、愛情豊かな家族に育まれ成長していけるように、社会全体からサポートしていくことが何よりも大切だと考えています。

ジェンダーフリーという時代背景の中で、育児・家事労働を父親も母親と同様に分担することが新しい社会常識となってきましたが、両親が共に働きながら、子供を育てるためには、まだまだ社会全体からの子育て支援策が足りない状況です。しかもこの育児コストの負担増が子供を持てない一因となっていることから、少子化対策は若い夫婦だけの責任ではなく、地域社会全体の責任ともなっているのです。

これらの問題解決のために必要なのは、もちろん最低限度の施設整備(建替え、増築、新設)であることは言うまでもありませんが、必要な時は自分が子供を預けるが、可能な時には自分が他人の子供を預かってもいいといった相互扶助の精神に基づく社会全体がファミリーサポートセンターのような環境を整備し、「草加の子供は草加のまち全体で育てる。」といった社会全体の合意を形成していく努力が必要だと私は思います。

これに加えて、さらに足りない子育て支援事業やサービスを幼稚園、保育園、家庭保育室、民間託児施設、民間ボランティア団体、NPO等が相互補完的に担っていくことによって、草加市にきめ細かな子育て環境が醸成されていきます。私はこれを「草加市まちの子」構想として力強く推進していきます。また、育児コストを少しでも軽減させるため、就学前幼児の医療費の無料化を実現いたします。

防犯対策―住民・市役所・警察署の連携強化と青少年悩み事電話相談を開設します。

正統な市民を守る最良の方法は法による秩序を強化し厳罰をもって犯罪に対処することと言われています。

この点で日本では、立法を司る国政と警察行政を司る県政に主な責任があることになりますが、草加市政の課題としてコミュニティを支援し、秩序を構築し、倫理や道徳を普及していくことは防犯対策として可能です。

また、一歩でも現実社会をこのように理想都市に近づけていく努力こそがデモクラシーの究極の目的であることを子供たちにも社会全体から伝えていくことが青少年犯罪を未然に防ぐ手段でもあるのです。そのためにはまず、草加市があらゆる犯罪行為を許さないまちであるという姿勢を打ち立て、市民を中心とした犯罪防止監視委員会を設置し地元警察署との日常的な情報交換を行うことが大切だと考えます。

また、問題を抱える青少年を早期に見つけ、その問題に耳を傾ける専門カウンセラーによる青少年悩み事電話相談を開設します。平和で安全・安心なまちづくりに一番大切なのは、市役所と地元警察署の良好な連携プレーであると私は考えます。

地域の声として、埼玉県を動かし、警察官の増員をお願いすることも草加市における犯罪発生率や交通事故発生率の抑制につながるものですので、積極的に働きかけてまいります。

公共施設の有効利用―小中学校等をコミュニティ活動の拠点として複合化します。

中央集権の性格が強かったこれまでの地方自治体の政策決定のあり方は、全国一律で同様の施設を建設するいわゆる「箱モノ行政」を誘導してきました。これらの施設を建設することが国や県から財源を引き出す唯一の選択だったからです。そして、その多くの施設を既に整備した自治体はそれだけ市民の税金を地域に還元したことになるのですから、一定の評価をするべきでしょう。

しかし、これからは地域ごとの切実なニーズにかなった施設建設がなされるべきであり、その事業選択はますます難しい時代に入ってきたといえます。私は全市に既に適正に配置されている小中学校を各地のコミュニティ活動の拠点として活用するなど、先人達がこれまで蓄積してきた社会資本たる既存の公共施設を現代社会のニーズに合わせて複合化することで有効利用します。これによって、新規施設建設のコストを抑制し、最少の費用で最大の効果を市民に提供できるまちづくりを実現します。

生涯学習と元気高齢者生きがい対策―教え教えられる生涯学習環境を創ります。

2015年に草加市の人口は25万人に達し、高齢化率は20%と予測されています。その内の約一割が介護を必要とするお年寄りであり、9割は心身ともに元気な高齢者であるといわれています。寝たきりになった時にも社会全体がケア―してくれる介護保険制度など数々の施策が必要とされる一方で、元気高齢者の生きがい対策が「幸せなまち」にとっての重要課題となることは間違いありません。

私が英国の大学で国際関係論を専攻してい た頃、同じゼミに70代の紳士が共に学んでいました。この老紳士は、「自分が関わった戦争に一体どんな意味があったのかが知りたい。」と社会人入学した理由を語っていましたが、このような生涯学習環境を充実させることも有効な施策です。

私は市議会議員初当選当初、獨協大学オープンカレッジを提案し実現させた経緯がありますが、今後はこのオープンカレッジをさらに充実させ、幾つかの市内小中学校を拠点とするコミュニティカレッジを運営することで草加市の生涯学習環境を整備してまいります。

また、これらの環境を活用することは、社会人が最新の一般教養、知識や技術を身に付けるためにも有効ですが、元気な高齢者がそれぞれ独自に長い人生経験の中で蓄積してきた知識や技能をコミュニティカレッジや市内小中学校の客員講師として、むしろ他の人々に伝え、教える立場から活用していただけるような就労機会が提供出来るよう、ブレーンバンク登録制度を創設します。これらによって、生涯現役といった生きがい増進施策を積極的に展開していきます。

長寿対策(介護保険)―客観的な各種サービスの内容評価と情報提供を実施します。

介護保険制度がスタートしましたが、この制度の成否は介護事業者が提供するサービスの質がどうであるかに大きな部分がかかっています。決められたコストでどれほど満足度の高いサービスを保証していくかが自治体として果たせる責任だと私は考えます。

そのためには介護事業者間の競争の原理を機能させることが最も有効な手段であり、介護事業者の客観的評価とその評価の公表、最良の介護事業者を選択することが出来るような情報提供が必要です。お年寄り自らがまだまだ利用する機会は少ないかもしれませんが、これら長寿対策のサービス全般を体系的に情報提供するインターネットによるポータルサイトの構築が、高齢者を抱える家族にとって必要不可欠なサービスとなるでしょう。

そしてNPOを含む、この問題に善意から取り組もうとする市民団体が経済的な利益目的ではなくボランティア精神に基づいて事業を受託しやすくするようなNPO支援策も実行していきます。

スポーツ・文化の振興―スポーツ施設管理の一元化と草加市文化協会への支援。

「今度の日曜日にソフトボールがしたい。でも、近所の小中学校の校庭は既に予約が入っていて使えない。」

このようなことがよくあります。限られたスポーツ・文化施設が不足していることから、学校開放や公有地の活用を勧めることはますます必要な施策となっていますが、これらの管理がばらばらなために、利用者にとってまだまだ使い難い状況です。市民のスポーツ活動・文化活動の場を利用者が使い易いように効率的に管理するために、全ての施設をオンラインで一元管理するシステムを構築して参ります。

さらに、草加市の文化行政については、財団法人草加市文化協会を支援・充実させ、なおかつ近隣自治体とのネットワーク化を推進して、興行を共同購入するなど、草加市文化会館の稼働率を飛躍的に高めて参ります。「草加市では演劇やコンサートや美術展など、いつも何か文化事業をやっている。」といわれるような真の文化都市に、草加を発展させてまいります。

予算―前年度主義を改めプレゼンテーションによる活発な予算折衝を行います。

私は漫然と前年度予算を踏襲した予算編成のあり方を見直し、一定の成果を既に完了した事業、時代の変遷のなかでより低い財政負担で提供されうる事業、管理費だけが突出して費用対効果が落ち込んでいる事業をより必要性の高い、財政効果の高い事業や事業手法に転換し、行政事務の評価システムを導入してコスト意識とスピード感のある予算編成・財政運営を実現させます。

また、プロジェクト制の導入による事業ごとの予算計画については完了期限を明確化し年次的な予算をチームごとに編成し、毎年の一般会計編成時にプレゼンテーションを主体とする活発な予算折衝を展開することにより、市役所内部の競争原理と活性化を実現します。これらのプロセスを経て完成した年度当初の一般会計予算案は議会に予算委員会を設置して頂いて、全体プレゼンテーションを実施し、インターネットでストリーミング放送するなど市民への公開の場を通じて、その年度の行政運営の方針を施政方針演説とともに予算編成の段階から幅広く市民に知らせる努力をいたします。

景観行政―ブロック塀を開放的な景観的にも優れた外向工事で解消し地域を演出。

ヨーロッパで大都市のまちづくりを観ていると個の趣向よりも街並み全体の景観を優先した秩序ある開発が今もなお行われていることが分かります。

日本人にとってはいまだに庭付き一戸建て住宅を持つことがおそらく多くの人々の夢だと思うのですが、ヨーロッパでは個人の庭を持つことよりも、それを共有するという発想から区画ごとに広場をつくり、都市ごとに都市公園をつくることを選択してきたことは明白です。

また、日本の住居はそこがマイホームであるとの区別をつけるために折角の庭をブロック塀で囲んでしまうなどして、防災上も景観上もあまり好ましくない現状にあると指摘されはじめています。個人の貴重な資産ですから、それらをきちんと管理することは必要ですが、せめてブロック塀をもっと開放的な景観的にもすぐれた外向工事で演出することが出来たら、草加はもっと 素敵なまちになると私は思うのです。

このような景観づくりに共鳴し、協力に意欲を示して下さる地域には、景観づくり助成制度等を通じて、個性ある開放的な空間を演出します。

広域行政と合併構想―県南5市まちづくり協議会離脱と5市1町との連携促進。

去る5月1日に誕生したさいたま市に合併された浦和市を除く、草加市、川口市、鳩ヶ谷市、戸田市、蕨市という中選挙区制時代の衆議院埼玉第一選挙区を構成していた県南5市は、これまで東京に隣接する広域行政圏として共通する課題を協議するため、「県南5市まちづくり協議会」を設置して、さまざまな議論を展開してきました。

私が昨年議長としてオブザーバー出席した総会の終わりに、鳩ヶ谷市の名倉市長から「合併協議」をこの協議会の正式議題として採択することを求める動議が提出され、これが了承されました。各構成市の議長の見解を求められた際、私は「生活圏として草加市は既に埼玉県東部の5市1町で清掃事業の一部事務組合などを運営してきた実績もあり、東武伊勢崎線沿線、もしくは国道4号線沿道地域としてつながりが深い。県南5市は東京に隣接する都県境の立地条件もあり、もし、東西軌道交通網が整備されれば経済圏としての発展性は期待できる。」と述べました。広域行政と合併構想は、私は区別するべき課題であると考えています。

生活圏としてのつながりを将来の合併構想の中核としながら進めていくために、議長就任当時、東部5市1町の議長連絡会を発足させたのも、この必要性を感じていたからです。既に草加市を除く県南4市は都市合併に向けたスケジュールづくりに取り掛かっているのですから、県南5市まちづくり協議会から、そろそろ草加市は離脱することが望ましいと個人的には考えています。その上で、県南4市の皆さんとの対話の中で、国道298号線と東京外郭環状道路の用地を活用した新交通システムなどの東西軌道交通を実現するための提案を行い、合併構想とは切り離した広域行政に関わる協議を呼びかけてまいります。

公共事業と地域経済波及効果―実施手法を工夫して、地域経済を元気にします。

草加市の一年間の一般建設費は100億円を超えています。今後も新市立病院の建設、松原団地建替え工事、国道4号線の花栗交差点改良工事、県道吉羽安行線の柳島交差点改良工事や地下鉄8号線、東埼玉道路建設事業等、草加市以外の事業主体が行う大型プロジェクトを含めると草加市に投下される公共事業は莫大な規模が予測されています。

さらに老朽化した小中学校や保育園、その他の公共施設もここ10年以内には全て大規模改修もしくは建替えが必要となってくるのです。

私はこのような時代を見据えた時、権力によらない、権力に媚びない、精錬潔白でさわやかな競争原理の働く公共事業の受け入れ態勢を今から着実に整備していくことが何よりも必要であると確信しています。

公共事業の実施手法については、単純な価格競争による入札システムを改め、地元業者への発注や材料調達を基本とする地域経済への波及効果に視点を取り入れたプロポーザル方式による新しい入札制度をつくり、コスト意識と公共事業の地元経済への波及効果のバランスの上に、新しい公共投資のあり方を実現していきます。

また、これまで事業の受注が地元では不可能とされていた一定規模以上の工事についても、大手ゼネコンとコンサルタント契約を締結するなどして工事本体を地元事業者が担当し、最先端のノウハウや技術を草加市内に吸収・蓄積していくことが出来るよう、全く新しい事業手法の検討にも取り組んでまいります。

私の公共事業に対する強い信念は、「草加市民の税金は草加市民に返す。」ということです。同じモノを同じ価格で買うのであれば、草加市内で買う。すると草加市内の経済が潤い経済浮揚効果が生れる。すると雇用や税収の増加によって市民サービスに必要な財源が生れる。市役所の事業やサービスを通じて税金が市民のもとに還元される。このようなあたり前のプロセスが可能な自己完結型社会を構築していくことが、豊かで、活力あふれる、元気な草加市をつくる「草加元気計画」の基本理念なのです。

この政策集は2001年の草加市長選挙において、私がまとめた政策集です。これらの課題ひとつひとつが実行さえれていくことで、市政は少しずつ良い方向へ変わっていくと信じています。そのための働きかけを、自分にできる方法で実行しつづけていきたいと考えています。このまち「そうか」とここに住む皆さまが好きだから・・・・どうか、皆さまのご意見を引き続き私にフィードバックしてください。そこからまた、新しい政策が生まれていきます。

瀬戸健一郎

この政策集には著作権があります。瀬戸健一郎の政策として複写・配布することは可能ですが、それ以外の使用は禁止します。PASS©